引っ越ししたらそれで終わりではなく挨拶状を出さなくてはなりません。
挨拶状では新居の住所や連絡先はもちろん、近況なども一緒に報告します。
ケースによって文章は異なりますし、冒頭には時候の挨拶を入れましょう。
引っ越しの挨拶状を出す相手はだれ?
新たな生活拠点に引っ越ししたら挨拶状も出さなくてはいけません。
近年ではインターネットの普及によって電子メールが通信手段として台頭し、はがきによる挨拶状などを出すシーンは少なくなったものの、やはり日本人にとって未だにハガキは馴染みの深いものです。
ビジネスシーンにおいてもハガキはよく利用されていますから、仕事関係の方にはなるべくハガキで引っ越しの挨拶状を出すようにしたいものですね。
しかし、そもそも引っ越しの挨拶状とは何なのか、いったい誰に出すものなのかという疑問を持っている方も多いでしょう。
引っ越しの挨拶状とは進学や就職、結婚などを機に転居先となる新たな住所や連絡先、近況を伝えるためのものです。
こうした挨拶状を出すという行為は割と古くから行われてきたことですし、現代でも普通に行われています。
中高年の方だと電子メールよりハガキでという方が多いのではないでしょうか。
電子メールのほうがすぐに届きますから効率的と言えば効率的なのですが、そんな時代だからこそ温かみの感じられるハガキによる挨拶状を出すということに意義があるような気もします。
では、このハガキによる挨拶状、いったい誰に出せば良いのでしょうか。
基本的には親しい方やお世話になった人などに送ることになります。
友人や知人、付き合いのある親戚などが該当しますね。
ただ、日頃から付き合いのある友人などの場合改まってハガキを出すというのもおかしな話ですし、このあたりは相手との関係性を考えた上で行動に移せば良いでしょう。
日頃から顔を合わせるような方にわざわざハガキを出すと他人行儀だと思われてしまうこともありますし、普通に口やメールなどで伝えたほうが良いかもしれません。
仕事でお世話になった方、付き合いはあるけど日常的に会うわけではない知人や親せきなどには出したほうがいいですね。
先ほども言ったように、必ずしも引っ越ししたからと言ってハガキの挨拶状を出さなくてはいけないということではありません。
あくまで慣習としてですから、出さなくても特別問題はないのですが、それでも親しい方には新しい住所を伝えておく必要があります。
新居の住所を教えておかないとそれを知らずに古い住所へ暑中見舞いや年賀状などが送られてくる可能性があります。
引っ越したあとの住宅には他人が暮らしていますから、友人や知人の住所や名前といった個人情報を他人の目にさらすことにもなりますから注意しましょう。
ケースによって異なる挨拶状
引っ越しの挨拶状はケースによって書き方が異なります。
こうした挨拶関連の決まりごとは多いですし、書店にいけば専門の書籍がたくさん販売されています。
それらを購入して参考にするのも良いですが、引っ越しなどはそうそうするものではありませんからそこまでする必要はないでしょう。
ここではいくつかのケース別挨拶状についてご紹介しますから、今後引越しを予定しているという方は挨拶ハガキの書き方の参考にしてください。
完全にその通りにするのではなく、自分なりのアレンジを加えるのもオススメです。
進学による挨拶ハガキを親しい相手に出す場合、「このたび下記に引っ越しました。初めての一人暮らしとなるため不安も多いですが、学生生活への意欲も燃えています。お近くにお越しの際はぜひお気軽にお立ち寄りください」といった内容がベストです。
この通りにしなくてはいけないということはまったくありませんから、あくまで参考程度にしてください。
当然のことですが新住所や電話番号の記載忘れがないようにしましょう。
住所の記載を忘れてしまうと何のために出したのか分からなくなってしまいます。
恩師や目上の方に出す場合だと「拝啓、新緑の美しい時期となりましたがお変わりなくお過ごしでしょうか。さてこのたび下記にて新生活をスタートさせる運びとなりました。慣れない一人暮らしのため何かと大変ではありますが、これからの日々を有意義なものにしたいと考えています。お近くにお立ち寄りの際にはぜひお気軽にお立ち寄りください。これからも変わらぬご指導のほどをよろしくお願い申し上げます」といった内容にすると間違いないです。
先ほどの親しい方へ出すハガキに比べると随分かしこまった印象を受けますが、恩師や目上の方にはこれくらいでちょうどいいです。
もっと固くしてもいいくらいですが、この程度でも大丈夫です。
挨拶ハガキについてもっときちんと学びたいという方は専門の書籍を購入してみましょう。
もっとさまざまな例文が掲載されていますし、ビジネスシーンに活用できるような内容も載っているでしょう。
引っ越しに関してはここでご紹介したくらいの文章で大丈夫です。
絶対にハガキを出さなくてはいけないというルールはありませんが、未だに日本人はハガキを定期的に出す習慣のある民族です。
出さないよりは出したほうが印象も良くなりますし、新しい住所と近況を同時に伝えることができますから一石二鳥ですよ。
時候の挨拶
新しい住まいに引っ越しが終わったらハガキによる挨拶状を出すことになりますが、時候の挨拶を忘れてはいけません。
時候の挨拶とは季節を表す言葉のことで、挨拶状の冒頭に用います。
これは引っ越しの挨拶状でも同じですから覚えておいて損はありません。
ただ、1~12月までそれぞれに時候の挨拶はありますから、すべてを覚えるというのは至難の業でしょう。
ここではいくつかご紹介しますから、覚えておきたいものだけ覚えてください。
本格的に知りたいという方は専門書が書店で販売されていますからそちらを購入することをおススメします。
インターネットでも学ぶことはできますよ。
引っ越しが多くなる時期は一年のうちで限られています。
移動が多くなる時期こそ引越しも多くなりますし、この時期に挨拶ハガキを出すシーンも多くなるでしょう。
2~4月がもっとも引越しの多くなる時期ですから、まずは2月の時候の挨拶をご紹介します。
「余寒の候」「立春とは名ばかりでまだまだ寒い日が続いております。」「節分を過ぎましたのにあいかわらず寒い日が続いております。」などが代表的な挨拶の言葉となります。
2月の代表的なイベント、節分という言葉が入っているところに注目してみましょう。
3月も就職や進学で移動が多くなる時期ですよね。
3月の時候の挨拶は「早春の候」「桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。」「寒さの中に春の気配を感じる頃となりました。」などが代表的な言葉となります。
3月と言えばそろそろ春が近づいてきたころですし、そのことを挨拶の中で述べています。
4月は「陽春の侯」「桜の花のたよりが聞かれる頃になりました。」「花の色が美しい季節になりました。」となります。
こちらも4月に咲く桜の花を文章の中に取り入れているのが分かりますよね。
このように、季節を感じられる言葉を織り交ぜていくことが時候の挨拶では重要なポイントとなります。
覚えておきましょう。
挨拶ハガキでは必ず時候の挨拶が必要になるのかというと決してそんなことはありません。
ただ、やはりマナーとして覚えておいた方が良いですね。
お世話になった方や恩師、上司などにはこうした時候の挨拶を入れてから次の文章へと繋げていきます。
逆に仲の良い友人などにこのような時候の挨拶を入れてしまうと他人行儀になってしまいますから避けたほうが良いかもしれません。
相手との関係性を考慮したうえで使いどころを間違わないようにしましょう。